私が今までに出会ってきた本類を紹介します。本当はあらゆるジャンルの本を紹介したいのですが、紙面の関係から環境問題に特化してご紹介します。
■合成洗剤 買わない主義 使わない宣言
■坂下 栄(医学博士)
■メタモル出版(2002.2.8)
■ISBN:4-89595-341-6
■読み易さ:★★★
■合成洗剤(合成界面活性剤)が人体にどれほど影響を与えるか、衝撃的な実験により証明しています。合成洗剤(合成界面活性剤)は、動物の細胞内に入り込み、細胞を破壊していきます。最近の子にアトピーが多い理由のひとつとも言われています。食器用洗剤、洗濯洗剤、シャンプー、リンス、歯磨き粉、ボディーシャンプー…実に色々な用品に合成界面活性剤は含まれています。特に子供をこれから育てようとされている方、絶対必見の一冊です。
ちなみに私は、食器洗剤、洗濯洗剤、せっけんをすべて「せっけん」に変えました。自分のために、そして将来の子供のために…。
■自然流「せっけん」読本
■森田光徳(シャボン玉せっけん且ミ長)
■農文協(農山漁村文化協会)(1991.3.30)
■ISBN:4-54090-130-3
■読み易さ::★★★
■上と同じく、合成洗剤(合成界面活性剤)の危険性と、昔から人が使い続けてきた「せっけん(脂肪酸カリウム・脂肪酸ナトリウム)」の安全性を謳っています。また、合成洗剤メーカーの悪質な宣伝、金をかければ何とでもなってしまう事実を訴えています。合成洗剤よりせっけんの方が汚れが落ちるのに、小学校の教科書に逆のことが書かれていた…といった強烈なエピソードが書かれています。ただ実は、私は石けんは石けんでも「シャボン玉せっけん」は敢えて使用していないのですが…
■危険な油が病気を起こしている
■J.フィネガン博士 今村光一 訳
■中央アート出版社
■ISBN:4-88639-885-5
■読み易さ::★★★
■現在のあらゆる食用油の化学プラントによる製造・精製法は間違っているとし、油のようで油(食物)でないプラスチック食品と断言しています。このように製造された食用油は、人間の体に取り込まれると細胞膜が異常化します。特にマーガリンやショートニングが最たるものです。著作の中で、マーガリンを外に置いておいても、全く劣化せず、ねずみに食べられることが無い事実を驚愕をもって確認し、人間の食べ物でない…としています。
この異常な油も、幼児にアトピーを起こさせる原因の一つとされており、お子さんを育てている方には是非呼んで頂きたい一冊です。
■食べるな危険!
■日本子孫基金
■講談社
■ISBN:4-06211-378-3
■読み易さ::★★★
■あらゆる食品に含まれる食品添加物の毒性や、残留農薬について、徹底的に調べ上げた一冊です。どうも著者達が純粋な理系の人間でないようで、文学的な表現方法やいまいちな科学的論拠には疑問の余地がありますが、調査の手広さと、分かりやすさに感心します。現状は、この本から変わってきているでしょうが、身の回りにいかに食品添加物類や農薬類が多いかよく分かる一冊だと思います。子供を育てる前に是非一度読んで見てください。
■食品・化粧品 危険度チェックブック
■体験を伝える会
■情報センター出版局
■ISBN:4-79581-453-8
■読み易さ::★★★
■食品・化粧品に含まれるあらゆる(食品)添加物の毒性に関するデータブックです。普段、原材料を見てもよくわからない添加物類の詳細な毒性を辞書形式に検索することができます。ただし、同じく純粋な理系の人が絡んでないようで、整理方法や表現方法には疑問も覚えます。
私も買ってきた食品を照らし合わせ、毒性の多寡をチェックするのに使っています。出来るだけ有害な食品添加物を摂取しないよう、手元に置いておくとよいかもしれません。でも、結局、添加物の入ってない食品は高く、日持ちしないんですよね…まぁ、何事もバランスです。
■なぜ経済学は自然を無限ととらえたか
■中村 修
■日本経済評論社
■ISBN:4-8188-0814-8
■読み易さ:★☆☆
■現代社会の根幹を為す「市場主義社会」の論理的枠組みを与える「経済学」。この「経済学」がなぜ「環境問題」を回避できなかったか。「経済学」のどこに過ちがあったのか。を、力学(物理学)の世界と対比し、平易にかつ判り易く解説しています。現在の市場主義社会を信じ、その未来に何の疑いも持っていない方々に是非呼んで頂きたい、衝撃的な1冊です。この1冊で貴方の未来が変わるかもしれません。
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■環境倫理学のすすめ
■加藤尚武
■丸善ライブラリー
■ISBN:4-621-05032-X
■読み易さ::★★☆
■私は高校時代に本書と出会ったことで、以後、本格的に「環境問題」のことを考えるようになりました。環境問題の解決は人間生活に対する根源的な問いかけであり、解決の非常に困難な問題であること、また、現在のシステムは「共時的」システムであり、決して「通時的」システムでないこと…などが書かれています。ちなみに画像にある新版は知りませんでした。いかに本書が多くの方に読まれているか分かりますね。
■地球環境報告・U
■石弘之
■岩波新書
■ISBN:4-00-430033-9
■読み易さ::★★★
■人間の営みの影で日々生贄となっていく自然の姿を著者自身の足で取材し、「以前来た時は数日間飛び続けてもひたすら森また森だった熱帯林が全て農地に変わっていた」など衝撃的過ぎる事実を淡々とした数値で表現しています。この本を読んで背筋が寒くなるのは、きっと私だけではないはずです。なお本書も続編が出版されています。
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■大江戸えねるぎー事情
■石川英輔
■講談社文庫
■ISBN:4-06-185431-3
■読み易さ:★★★
■江戸時代が模範的なリサイクル社会だったことは大分有名になってきました。本書は様々な生活用品を現代と江戸時代とで比べ、同じ商品を生産・輸送するために必要なエネルギーを定量的に比較しています。また、余談的に書かれている江戸時代の生活の様子から、いかに現代の生活が豊かな生活であるかが良く分かります。
■「水」戦争の世紀
■モード・バーロウ/トニー・クラーク
■集英社新書
■ISBN:4-08-720218-6
■読み易さ::★★★
■「水と平和はタダ」と信じているのは日本人だけで、世界的な水不足は危機的な様相を示しています。石氏の「地球環境報告」のように世界各国の水危機模様を赤裸々に綴っています。これを読んだらシャワーを流したまま朝シャンをすることが出来なくなるはずです。
■愉しい非電化
■藤村靖之
■洋泉社
■ISBN:4-86248-035-7
■読み易さ::★★★
■発明家である藤村氏が自身で製作された様々な「非電化」製品が紹介されています。氏は実際にモンゴルなどで非電化冷蔵庫を設置され、現地の方からとても感謝されています。この本を読むと「人間もまだまだ捨てたもんじゃない!」って元気付けられます。皆様にも是非お勧めしたい本ですね。
■経済人類学を学ぶ
■栗本慎一郎 他
■有斐閣選書
■ISBN:4-641-18238-8
■読み易さ::★☆☆
■経済学ではなく、人間の営みとしての経済活動…という視点から経済活動を捉える「経済人類学」の入門書です。この本に出会うことで、今まで当然過ぎた「貨幣経済とは何なのか」を客観的に見れるようになりました。また、現在の経済システムのみが唯一の経済システムで無い事も知りました。カールポラニーとの出会いの本です。
■温対法と省エネ法の原単位問題
■田中俊六
■オーム社
■ISBN:978-4-274-20389-3
■読み易さ::★☆☆
■省エネや地球温暖化対策を行うに当って欠かすことが出来ないのが「消費原単位」。使用する指標が異なれば、当然結果も異なるものとなってきます。本書は温対法と省エネ法で異なるCO2原単位について筆者の考えを述べています。ガス屋として批判したい部分もありますが、納得できる部分もあります。もとを正せばわが国の環境施策の「歪み」が生んだ現象で、わが国のエネルギー事情の難しさがよく理解できます。
■環境ホルモンから子どもたちを守るために
■井口泰泉
■素朴社
■ISBN:4-915513-46-7.
■読み易さ::★★★
■わが国の環境ホルモン研究の第一人者である井口先生の著書です。イラストが多用されていて、難しい話も感覚的に理解することが出来ます。環境ホルモンは特に世代を跨る問題ですので、これからお子さんを生まれる方に是非読んで頂きたい一冊です。
